錦織圭がナダルにフルセットで敗れる…勝敗以上に得たもの
「昨年は右肘手術から復活しようという矢先にコロナに。ただでさえ実戦から離れているうえ、年明けは全豪の前に2週間の隔離生活を余儀なくされた。いまの錦織に何より必要なのは心身のスタミナです。そういった意味で今回の対戦は、勝ち負け以上に得るものが大きいと思う」
こう言うのはスポーツライターの武田薫氏。
錦織圭(31=世界ランク39位)が22日、バルセロナ・オープン3回戦でナダル(34=同3位)と対戦したことを受けてだ。錦織は「赤土の王者」の異名を持つ相手に0―6、6―2、2―6のフルセットで敗れ、8強入りを逃した。試合後、「よかった気持ちはあまりない」と振り返ったが、得たものは少なくない。
「いまの錦織は1試合でも多く、実戦を重ねること。マスターズやグランドスラムなどのタイトル以前に、まずは自信やスタミナを取り戻さなければなりませんから。今回は1、2回戦ともミスが多かったのに、それでも勝ち上がって試合を重ねることができた。3回戦までいけばナダルと対戦することが分かっていたわけで、目標にしていたと思うし、ここまで3試合をこなせた経験は今後に生きるはずです」(武田氏)