東京五輪最大のリスクは7月13日開村「選手村クラスター」
だが、こんな説明を額面通りに受け止めるのは危険である。
選手村は一つの町レベルの規模である。用意されたベッド数は1万8000。もちろん複数名による相部屋だ。選手村と競技場の間はバブルで包み込めても、選手村の中ではそうはいかない。いくらダイニングやカフェにアクリル板を設置したとしても、隙はそこら中に発生する。おまけに選手村では夜の営みも盛んだという。国際交流を規制する手立てはないのだ。
仮定の話だが、選手村で感染者が出た場合、濃厚接触者の範囲をどうするのか。ウガンダ選手団の事例のように、同じ航空機に搭乗していてもセーフという不可解な五輪特例がまかり通るのではないか。感染範囲を小さくして感染拡大を矮小化して見せても、ウイルスは勝手に広がっていくのである。
選手村でクラスターが発生したら、大会自体が中止に追い込まれるだろう。否、オリンピックそのものの意義が瓦解しかねない。
つまり、「東京2020大会」最大最悪のリスクは、選手村クラスターだと言わなければならないのだ。国や組織委員会、そして東京都にリスクへの供えと覚悟は果たしてあるのか。後味の悪い大会にならないことを願うばかりである。