【柔道】素根は3倍努力で「金」、原沢は裸一貫が実らず5位…明暗分かれた最終日
メダルラッシュに沸く柔道。個人種目最後の重量級で明暗が分かれた。
女子78キロ超級の素根輝(21)が決勝でキューバのオルティス(31)に反則勝ち。金メダルを獲得した。身長173センチのオルティスに対し、素根は最重量級としては小柄な162センチ。そんな体格差をものともせずに攻め続けた結果、相手に3度の指導が出た。座右の銘とする「3倍努力」で培った圧倒的なスタミナのたまものでもあった。
「悔いが残る」
一方、男子100キロ超級の原沢久喜(29)は準決勝でまさかの敗退。準々決勝で五輪連覇の「絶対王者」、フランスのリネール(32)が敗れる波乱を追い風にすることができなかった。
3位決定戦はそのリネールが相手。前回リオ五輪決勝で指導1の差で惜敗した因縁のライバルに指導3つの反則負けとまたも苦汁をのまされた。
リオ五輪後、オーバートレーニング症候群による心身の慢性疲労に悩まされ、2018年には所属企業のJRAを退社。貯金を取り崩し、フリーの立場になって自らを追い込んだが、悲願の金メダルは遠かった。
「支えてもらった人に結果で恩返しができなかった。悔いが残る」
そう言って目を潤ませた原沢は、今大会をもって競技の第一線から退く意向を示している。