阿炎は好調維持で賜杯圏内! “キャバクラ豪遊”の不祥事→幕下陥落のドン底見て逞しく
本当に人が変わったかのようだ。
もっか8勝2敗と好調をキープしている前頭の阿炎(27)。先場所は12勝3敗で優勝争いを演じるなど、いまや上位陣にもひけを取らない存在になっている。
18日は隠岐の海を撃破。ともに1敗の照ノ富士と御嶽海次第とはいえ、優勝の可能性もある。
阿炎は突っ張りを得意としている力士。以前から押し相撲には定評があったものの、不祥事による3場所出場停止、それに伴う幕下陥落を経てからは、一回りも二回りも強くなった印象だ。
「阿炎の突っ張りは師匠の錣山親方(元関脇寺尾)譲り。特徴は腕を引くスピード。突いた腕を無理に伸ばさず、すぐに折り畳んで次の一発を……というものです」
とはある親方。しかし、そう聞くと一発が軽そうだが……。
「以前の阿炎は『あわよくば引き技で仕留めてやろう』という下心があったので、足が前に出ず、結果的に威力に欠ける上突っ張りになっていた。今はめったなことでは引かないという強い意志があるのか、前に出ながら突っ張りを繰り出しているので圧力もある。肉体以上に精神面の成長が顕著です。今の阿炎なら三役や平幕上位陣と比べても遜色がないどころか、だらしない大関をも上回っていると言ってもいい。ケガなく今の相撲を続けることができれば、将来的には大関も見えてくる」(前出の親方)
ケガで序二段まで落ちてから這い上がった照ノ富士や宇良しかり、阿炎のキャバクラ通いは自業自得だったとはいえ、一度ドン底を見た力士は強い。