90年は巨人がぶっちぎりでセ連覇も 日本S直前に監督と投手陣で「報奨金騒動」が
藤田元司監督が率いた1990年の巨人は強かった。
2年連続20勝で最多勝と防御率の2冠に輝いたエース斎藤雅樹を筆頭に、桑田真澄、宮本和知が14勝ずつ、木田優夫が12勝、香田勲男が11勝で2ケタ勝利が5人。さらに槙原寛己も9勝で、88勝のうち80勝をこの6人が挙げていて、チームの完投数は70を数えた。88勝42敗で勝率は驚異の.677。2位・広島に22ゲームの大差をつけて、リーグ連覇を果たした。
9月8日に早々と優勝を決めた後の消化試合も勝ち続け、負けた記憶があまりない。なぜ集中力が途切れなかったのか。
■1勝ごとに球団と日テレから
1勝ごとに選手が手にする「報奨金」の存在が大きかったように思う。この頃の巨人戦は、連日テレビの地上波で放送されていた。テレビ局から球団に支払われる放映権料は「1試合1億円」といわれた時代。選手にも球団と日本テレビから1勝ごとに報奨金が出ていた。この年は88勝。それぞれから出るわけだから、結構な金額だ。これは活躍や貢献度によって各選手に振り分けられた。