佐々木朗希の“怪物級”女房役・松川虎生の意外なルーツ…捕手原点は燕の「代打の神様」との縁

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 相棒も怪物級だ、と古田敦也氏や谷繁元信氏らかつての名捕手が異口同音に舌を巻いている。

■驚異のルーキー捕手

 4月10日に史上最年少で完全試合を達成して、現在も17イニング完全投球を継続中のロッテ佐々木朗希(20)。その偉業を支える女房役の高卒ルーキー捕手、松川虎生(18=市和歌山)のことである。

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 経験が重視される捕手というポジションながら高卒新人で史上3人目となる開幕スタメンマスクを勝ち取ると、16歳離れた先発の石川歩(34)を好リードで無失点の快勝に導いた。それは令和の怪物相手でも変わらず、自らが主導権を持って首を振るタイプという佐々木にほとんど首を振らせず、パーフェクト投球を演出しているのだから、こちらも怪物だ。

■ヤクルトの「代打の神様」との縁

 松川の捕手の原点は中学時代にさかのぼる。小学生時代は投手と三塁手だった松川を捕手に育てたのは「貝塚ヤング」の川端末吉監督(68)。ヤクルトで「代打の神様」としてチームを支える川端慎吾の父でもある。

「松川が捕手をやりたいというので教えるんですが、僕も捕手が本職じゃない。そこで、息子に会いにプロ野球のキャンプへ行ったとき、捕手の基本動作について勉強しました。当時は福川(将和)さん(現二軍バッテリーコーチ)によく助言をもらったかな。あとは息子がムーチョ(ヤクルトの正捕手、中村悠平の愛称)と一緒に自主トレをしているので、そこへ遊びに行ったついでに練習を観察しながらその様子をビデオに撮って持ち帰ったり。松川の指導に生かしたのは、ボールを止める練習。はじいた後の捕球とスローイングが中心でした。プロ野球選手が一番基本練習をしている、これは断言できます。息子も基本練習だけでやってきたタイプでしたからね」

16歳で夜の白米禁止

 松川は入部当初からグラブさばきが柔らかく、スローイングとバッティングはモノが違った。投げれば、世代最高投手として昨秋ドラフトで2球団が1位で競合した、貝塚ヤングの同級生・小園健太(現DeNA)より速かったという。中学3年時には、甲子園の常連校ばかり20以上の高校が視察に来た。その才能に惚れ込んで手塩にかけた川端監督を、松川も「第二の父」のように慕った。

「つい先日もLINEや電話で話しました。『ここからやな』という話をしたら、『何とか生き残れるように頑張ります』と言っていた。本人も厳しい世界であることは分かっていると思う。完全試合の前に連絡したときは『緊張してます』『心身ともに疲れてしんどいです』とも言っていたので、逆にそれが表情に出ていないのがすごいなと思いましたね」(川端監督)

 中学時代は事あるごとに「川端監督の自宅へ遊びに行きたい」と母の紗絵美さんに相談。監督にも直談判し、一度だけ訪問が許可されると、意気揚々と電車に乗って家を訪ねた。しかし、いざ自宅に招き入れられると借りてきた猫のようにおとなしくなり、黙々とケーキを食べて帰って行ったという逸話もある。

 当時から体は横に大きく、市和歌山高に進むと、106キロあった体を絞るため、野球部の半田真一監督から、「揚げ物」と「夜の白米」を禁止された。ドラフト指名後、紗絵美さんは「夜はおかずだけ。お弁当にから揚げを入れた記憶がありません」と笑っていたが、ロッテの2人目の怪物の評価はどこまで大きくなるか。 

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