<51>一度きりのファーストクラスの苦い思い出…あっという間に爆睡
成田空港に着き、山梨に入るとものすごい雪。整氷車が追いつかず、初日はレースができない状態で2日目の早朝からレースを一気に消化することに。
私は500メートルを1戦だけ滑り、翌日にはドイツへとんぼ返り。ちなみにこのときはビジネスクラスだった。
国体を盛り上げようと、その3年前に長野五輪で銅メダルを取った私をVIP待遇で迎え入れたはいいが、結果は3位。優勝できなかった。
前年の00年4月に手術をして、氷上練習を再開したのは7月後半。それから約半年後ということもあったが、私の苦手にしていたオープンレース形式だったことが大きい。
国体のレースは決まってオープンレース形式。五輪などでお馴染みの2人で滑るのではなく、選手が8人くらい並び、一気にスタートするシングルレースのことで、スタートダッシュで逃げ切る私は小さい頃からこのスタイルが苦手だった。
マススタートのように、前半は前の選手を風よけにして体力を温存し、後半スパートをかけるのが定石だが、私はそういったポジション取りができずいつも負けてしまう。