「番付を見ろよ」新入幕・大鵬との対戦前に柏戸は大見えを切った
豊昇龍は面目を保ったが
豊昇龍が新入幕の伯桜鵬を止め、面目を保った「点」では同じだが、63年前の柏戸と大鵬は「注目の大一番」となる初顔合わせの前から芽吹きがあり、その後の一時代へつながる「線」の途中だった。
名古屋場所は照ノ富士が途中休場し、貴景勝は全休した。新大関霧島も来場所はかど番となり、大関候補の大栄翔と若元春は9勝止まり。
散々な場所を、最終盤に優勝を争っている力士を対戦させて辛うじて盛り上げるパターンが増えた。千秋楽の一番もそのひとつで終わるか、のちに思い起こされる取組になるか――。
▽若林哲治(わかばやし・てつじ)1959年生まれ。時事通信社で主に大相撲を担当。2008年から時事ドットコムでコラム「土俵百景」を連載中。