ソフトバンクどすこい山川穂高が2戦連続弾より喜んだ“愛弟子”砂川リチャードの「四球」
キャンプ地でのある日、2人は全体練習後に室内練習場にこもり、ピッチングマシーンで延々と打撃練習をしていた。といっても、ヒットやホームランを打つのが目的ではない。「くさいボールをカットする技術」を、山川がリチャードに教えていたのだ。
なかなかカットできないリチャードに、山川は「こうやるんだよ」と、実演。タイミングを取りながら、いとも簡単にマシンの球をカットする師匠の姿を、弟子は食い入るように見ていた。
コツを教わったリチャードは何回か繰り返し、ようやく成功すると、満面の笑みで「できた!」と大喜び。その後も打球をカットするたび、「できた!」「できた!」と興奮していた。
そんな二人三脚の成果が実戦で表れたのだから、師匠が祝福するのも当然だろう。
もともと、リチャードは2ストライク後の打撃が課題といわれていた。これまではヒット狙いに切り替えて三振や凡打、というケースが多かったが、くさいボールをカットする技術に磨きをかければ、その分、甘い球を捉えるチャンスは増える。
この日は延長十二回にヒットを放ち、周東のサヨナラ犠飛につなげたリチャード。師匠の指導で覚醒となればいいが。