「おじさんのイケてるところを見せたい」とFリーグ、Jリーグ、コーチの三刀流に挑戦
Fリーグ開幕を控えた22年5月、苦笑いしながらこう話してくれた。その直後、旧知の間柄である元INAC神戸の星川敬監督がYSCC横浜の指揮官に就任。「サッカーの方に来てほしい」と熱望され、それからJ3に同行するようになる。7月9日の八戸戦で2ゴールをマークして存在感を強烈にアピール。チームにとって不可欠な存在になっていった。
「40代で猛暑の中、リーグ戦を戦うのはかなり大変だけど、どんな状況でもまずは楽しむことが一番。自分がエンジョイできれば、見ている人たちも『松井が頑張っているから自分も頑張ろう』と思ってもらえる。41歳のおじさんがイケてるところを見せたいですね」
心のどこかで投手と打者の二刀流を成功させた米大リーグ・大谷翔平(ドジャース)を意識していたのかもしれない。
「星川さんには、コーチ的な役割も任せてもらえたので若い選手にアドバイスしたり、自分なりに練習方法を考えたり、いろんな角度からサッカーを見ることができました。メンタル的なアプローチを近くで学べたのも大きかったですね。選手の可能性、潜在能力を見極める目も少しは養われたのかな。J3でも『この選手は上に行くだろうな』と感じる選手はいる。23年に加入して前半戦だけで11ゴールを挙げ、シーズン途中にJ1湘南に引き抜かれた福田翔生なんかは典型例。いい経験をさせてもらいました」
フットサルとサッカーの選手に指導者と幅広い活動がかなった。YSCC横浜で過ごした時間は非常に有意義だった。