連続金の阿部一二三が見据える柔道史上初「五輪4連覇」シナリオ 恋人のグラドルが会場で応援
柔道男子66キロ級の阿部一二三(26)が日本時間29日、決勝でウィリアン・リマ(24=ブラジル)を合わせ技一本で破り、21年東京大会に続く連覇を達成した。日本柔道通算50個目の金メダル。五輪連覇は21年大会の大野将平(73級)以来、男女合わせて史上8人目の快挙だ。
開始1分48秒に隅落としで技ありを奪うと、2分36秒には袖釣り込み腰で再び技あり。合わせ技一本でリマを畳に沈め、連覇達成を誇示するように両手の人差し指を突き立てた。
初戦から得意の袖釣り込み腰と、東京大会以降に磨きをかけた足技のコンビネーションが冴えた。ゴールデンタイムに技ありで勝利した準決勝を除いて、一本勝ち。ライバルを寄せ付けない圧倒的な強さを見せた。
その一二三はこの日、天国と地獄を味わった。初戦直前に妹の詩(24)がまさかの二回戦敗退。練習場のモニターで悲しみに打ちひしがれ、泣き叫ぶ妹の姿を目にし、動揺が走った。
「妹が負けてしまって、すごく苦しい1日になりましたけど、妹の分まで兄が頑張らないといけないと思った。兄としてやるしかないところで、気持ちを抑えました」(一二三)