再燃する「五輪卓球排除論」…“元中国人”が跋扈、不正野放し、金メダル独占の異常事態
「真面目に規則を守っているのがバカバカしいのが現実」
こんな歪な実態から、「卓球は五輪から除外される」という話は繰り返し出てくるし、実際、国際オリンピック委員会(IOC)も除外競技としてリストアップしたこともあると言われている。
歪といえば、多くの国で五輪代表に「元中国人」がいることも異常だ。今大会は61歳のルクセンブルク女子代表倪夏蓮が話題になったが、彼女は元中国代表。この日、日本が対戦したドイツやフランスにも中国出身者がいるし、シンガポールや台湾のメダリストにも中国から帰化した者がみられる。
16年リオ大会の卓球では、全172人の選手中、中国代表を除く38人が中国生まれ。米国代表は男女6人のうち5人が「元中国人」だった。卓球王国の中国で代表入りすることは至難の業だ。代表漏れした選手や、ピークを過ぎた元トップ選手が他国で帰化し、代表になるケースが多いのだ。
元実業団の関係者が言う。
「元中国人ばかりの実態もIOCが懸念しているという話は聞いたことがありますが、卓球にはもうひとつ大きな問題がある。かつて水谷(隼)が問題提起して、国際大会の出場をボイコットした不正ラバーの件です。選手はラケットを手にしてからオイル成分の補助剤をスポンジ面に塗るなどの後加工は禁じられていますが、事前にメーカーが手を加えて選手に渡すことは野放しにされている。補助剤をラバーに塗ると、回転やスピード、コントール性能が増すのです。不正が嫌いな日本選手は規則を守っていたが、中国はもちろん、他国の選手は国際大会でも不正ラバーで戦っていた。でも、卓球界にはドーピングのような不正ラバーに関しての厳しい検査や罰則はない。国際連盟は違反を見つけるために努力はしているそうだが、実際には不正ラバーの使用を知りながら何の措置も講じていない。水谷の抵抗はこれっぽちも効果はなかった」
関係者は続ける。
「真面目に規則を守っているのがバカバカしいのが現実です。今では日本も補助剤で加工したラバーを使っている選手もいますが、国際連盟は不正ラバーを完全に禁止にするか、逆に解禁するのか、はっきりさせるべきです。不正に関することはスッキリさせないとIOCからの印象も悪くなりますよ」
中国の異常な強さだけでなく、諸々の問題を抱える卓球界。再び「五輪除外」の声が大きくなるのではないか。