終わらないメダル狂騒曲…選手の頑張りを東京五輪汚職を洗い流す「メダルウォッシュ」にしてはいけない
まさか、最近の選手団ではやっていないだろうが、かつては選手団本部室に大きな紙を貼り出して、金メダルから入賞者まで結果を書き込んでいた。そして、それを見ながら「あと3個だな」なんて役員がお茶を飲みながら、頑張って(!?)いた時代もある。そうしたメダル至上主義は基本的に変わっていない。
パリ五輪が閉幕して2週間になろうとしているが、日本のメダル狂騒曲が終わらないのは、これが背景にある。
■テレビ中継には興ざめ
もうひとつのメダル狂騒曲はテレビである。メダルというキーワードが視聴者との唯一の共通語だと錯覚しているとしか思えない。
柔道混合団体戦決勝で、日本がフランスに勝ちを積み重ねると、「あと〇勝すれば日本は金メダルです」と言い続ける。こちらは試合展開や技の解説を聞きたい。マラソンでも男女それぞれ1人が入賞したが、メダル獲得可能性がありそうなうちは、「今の調子でいけばメダルも夢ではありません」と言い続ける。これでは視聴者にはメダルという言葉だけが耳に残り、その可能性がなくなった時点で興ざめということになりかねない。