時代遅れの陸連がひねくり出したマラソン代表選考の分かりづらさと後進性、違和感
国内のマラソンシーズンが終わり、来週、東京で開かれる世界陸上選手権(9月)の代表内定選手が発表になる──。
マラソンの代表選考は常に揉めてきた。すんなり決まったのは宗兄弟と瀬古利彦が代表になった1980年のモスクワ、84年のロサンゼルス大会くらいだ。彼らには断然の実績があった。世界と重なる力があれば、夢の担い手選びはどうしても揉めた。
そのマラソンもアフリカ勢の台頭で、男子は92年のバルセロナ大会、後発の女子も2004年のアテネ大会以降は影が薄くなった。それでも揉める。2時間余の耐久レースには不確定要素がいくつもあり、ああでもないこうでもないの議論もマラソンの楽しみの一つなのだろう。
今回の揉める要因は日本陸連が立ち上げたJMC(ジャパンマラソンチャンピオンシップ)シリーズ、極めて分かりにくい。国内大会を格付けしてポイントを付加し、2年間2大会の合算ポイントでランキングを出す。国内大会を盛り上げようとひねくり出した内向きの企画で、ランキング1位は代表になる。残り2人は総合評価で決める点は変わらず、3枠の揉め事が2枠になった分、かえってJMCで混乱したようにすら感じる。