「飛ばないバット」を歓迎する声も…今春センバツ出場校の監督&コーチが明かす対策と影響
「木製バットでの練習は次のステージでも野球をやる子には非常に良いこと」
25日の2回戦で東海大札幌を破り、8強に駒を進めた浦和実(埼玉)の辻川正彦監督(59)も同様だ。
「ウチはもともと『高反発バット』でも飛ばす選手はいないので(笑)。だから、ウチのように守り勝つチームにとってはプラスでしょう。秋季大会でも『昔のバットだったら内野を抜かれてたなあ』というシーンがいくつもありましたから」
飛ばないバットを歓迎する指導者は他にもいる。西日本短大付(福岡)の西村慎太郎監督(53)もそうだ。
「低反発バットが導入されてから、練習では木製バットを使っています。だいぶ感覚は近づいてきていますね。大学や社会人、プロなど、次のステージでも野球をやる子にとっては非常に良いことだと思います。守備や走塁がより重要になったこともそうです」
東洋大姫路(兵庫)の岡田龍生監督(63)は「これまでの高校野球はバットの性能で打球が飛んでいたことがよくわかったはず」と、こう話す。
「低反発バットで打球を飛ばしたければパワーと技術の両方が必要です。昔のようにドアスイングでも……なんてことはもうありません。木製バットのように内側からコンタクトし、芯に当てないといけない。そのためにも、指導者も今まで以上に勉強をし、技術指導の引き出しを増やして、正しいスイングを子どもたちに教えなければいけません」
飛ばないバットも悪いことばかりではなさそうだ。