西日本短大付・西村監督に聞く「いまどきの高校生をどうやって指導しているのですか?」
西村慎太郎監督(西日本短大付/53歳)
20日に登場、大垣日大(岐阜)と対戦する西日本短大付の西村監督は日本ハムの新庄監督の同級生。2003年に監督に就任して、今年で22年になる。今月2日にはセンバツの優勝実績もある龍谷大平安(京都)の原田英彦監督が体罰で退職しているが、今と昔では指導法は違うのか、聞いてみた。
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──二十数年前と今で教え方は違いますか。
「教育現場もそうですが、世の中も変わっていますからね。それでも変わらないものもあります。例えば、我々が若い頃は強い口調で注意されたり、ゲンコツもありました。でも、その全てが無意味だったのかというと、そうではないと思う。僕はこの年になって、昔言われていたことで本当に大事なこと、さまざまな教えの中で僕の中に残っているものは何か、ということを考えています」
──具体的には。
「近年は努力をしないでもできる(簡単な)ことを『褒めてください』という傾向がある。でも、それでいいのか、と子どもたちに聞きます。おまえたちは県で一番になって、甲子園に行きたいのだから、こっちの口調も強くなったり、求めることも増えて言葉に圧がかかることもある。おまえらはどっちがいい? そう聞くと、『求められる方がいい』と返ってきます。じゃあ、求めるぞ、と。そうした手順を踏まず、昔のように最初から強い口調であれこれ言うと、今は問題になりかねませんからね」