ジャンプ女王 高梨沙羅を待つ「レズ攻勢」と「秘密兵器」
そのジャンプ王国とはオーストリアといわれている。確かに同国はベテランは健在だが、若手は今季のランキング30位以内にひとりもいない。いずれにしろ、台頭する新鋭やまだ正体を現さない若手は粗削りだが、女子ジャンプは潜在能力が一気に開花。アッという間に頂点に駆け上がることがある。高梨がそうだった。それだけに高梨も、
「女子はどんどんレベルが上がり、シビアな世界になっていく」
と警戒を怠らない。
最大のライバルといわれたサラ・ヘンドリクス(19・米国)もケガの治療に専念。ソチには間に合うという。
もともと高梨には膝に古傷がある。昨年1月20日、北海道名寄市での練習で着地に失敗、転倒して脳振とうを起こしたのも膝に原因があったそうだ。
高梨は本番までW杯を転戦する。国民の大きな期待を背負い、2月のソチで飛ぶ。そんな高梨を、五輪史上女子ジャンプ最初の金メダルは日本には渡さないとばかりに、ヨーロッパの「ジャンプ王国」のメンツをかけた仕掛けが待ち受けている。