IWGPシリーズ最新刊を上梓した石田衣良氏に聞く
小説だけでなく、映画も音楽も、客が荒れているという危機感がある。
「読者や視聴者が消費者なんですよね。ふんぞり返って『こっちは金払ってるんだからサービスしろよ』みたいな。おっぱいパブで嫌われる客みたいな感じですよね(笑い)。男女交際を許せないアイドルファンとかね。まあ、それも停滞感のひとつなのかもしれないけれど」
9月にはIWGP最新作「キング誕生」も刊行予定と多忙だったそうだ。
「執筆直前に高血圧で倒れて救急車で運ばれたんですよ。作家生活の前半が終わって、折り返し地点にいるなという感じがしましたね。ま、日本が停滞しようがどうなろうが、楽しく暮らすって決めたので。少しのんびりしようと思っています」
◇いしだ・いら 1960年、東京都生まれ。成蹊大学経済学部卒業。97年「池袋ウエストゲートパーク」で作家デビュー、オール読物推理小説新人賞を受賞。03年「4TEEN」で直木賞受賞。執筆の傍ら、NHKの音楽番組で司会を務めるほどのクラシック音楽ファンでもある。