「火星-最新画像で見る『赤い惑星』のすべて」ジャイルズ・スパロウ著 日暮雅通訳

公開日: 更新日:

 裸眼で見える5つの惑星の中でも、赤く輝く火星は、有史以前から人類にとって特別な存在だった。古代メソポタミアの占星術師たちは、その赤い色から戦と疫病の神ネルガルに、古代ギリシャでは軍神アレスに結びつけられ、火星の名マルスはローマ神話のアレスに当たる。

 望遠鏡が発明される以前からその複雑な動きは天文学者らを魅了し、その動きを綿密に研究することが、天文学の革命へとつながった。

 そんな人類にとって特別な星、火星の世界を案内してくれる大判ビジュアル・サイエンス・ブック。

 直径が地球の半分強、質量11%、表面重力38%という火星の表面には、地球と同じく地殻変動や火山活動などの地質的特徴と気候の変化によって刻まれた複雑な歴史の跡が数多く残り、美しくも不思議な世界をつくりだしている。

 あの特徴的な色は、地表の大部分を覆う細かい赤い砂に由来する。そしてその砂が、頻繁に吹き荒れるダスト・ストーム(砂塵嵐)や、竜巻のようなダスト・デビル(塵旋風)によって、地表にさまざまな陰影をつくりだす。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕の理想の指導者は岡田彰布さん…「野村監督になんと言われようと絶対に一軍に上げたる!」

  2. 2

    小泉進次郎氏「コメ大臣」就任で露呈…妻・滝川クリステルの致命的な“同性ウケ”の悪さ

  3. 3

    綱とり大の里の変貌ぶりに周囲もビックリ!歴代最速、所要13場所での横綱昇進が見えてきた

  4. 4

    永野芽郁は映画「かくかくしかじか」に続きNHK大河「豊臣兄弟!」に強行出演へ

  5. 5

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  1. 6

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  2. 7

    関西の無名大学が快進撃! 10年で「定員390人→1400人超」と規模拡大のワケ

  3. 8

    相撲は横綱だけにあらず…次期大関はアラサー三役陣「霧・栄・若」か、若手有望株「青・桜」か?

  4. 9

    「進次郎構文」コメ担当大臣就任で早くも炸裂…農水省職員「君は改革派? 保守派?」と聞かれ困惑

  5. 10

    “虫の王国”夢洲の生態系を大阪万博が破壊した…蚊に似たユスリカ大量発生の理由