【格差と資本主義】金融資本主義がもたらした中間層の転落
「『就活』と日本社会」常見陽平著
日本独自の制度といわれる「新卒一括採用」。職務経験もない若者を在学中に選考。それも大企業を中心にほぼ同時期に行われ、採用条件もあいまい。また有名校偏重主義も有名だ。しかし、本書によると実は大手1部上場企業でも学校の偏りは限定的。就活時期が繰り下げになってもインターンシップの拡大などでむしろ就活が早期化・長期化するという逆説も見られるのだ。
就活における大学間格差の「常識」を疑う本書。フリーの人材コンサルタントが一橋大の社会人院生として書き上げた修士論文が基になっている。
(NHK出版 1150円+税)