【ハラスメントいろいろ】セクハラにパワハラ、最近ではモラハラやマタハラも加わった「ハラスメント百態」。
「カウンセラーが語るモラルハラスメント」谷本惠美著
相手に罪悪感をいだかせるタイプの嫌がらせがモラル(道徳的)ハラスメント。たとえば夫が妻をからかい、怒ると「冗談のわからないやつだ」と逆ギレし、自分が悪いと妻に思いこませるような例だ。本書は大阪で女性のためのカウンセリングルームを開く著者が説く“モラハラ入門”。
相手を執拗に責め続けるのが特徴だが、言葉の暴力とは限らない。たとえば過度に甘えて無理難題を出し、難色を示すと怒ってプイッといなくなる。こういう幼稚な自己中心性がモラハラの本質だという。つい「こっちにも責任がある」と思いこませるのがモラハラのワナなのだ。(晶文社 1500円+税)