「仁義なき宅配」横田増生氏

公開日: 更新日:

 本の帯には「企業にもっとも嫌われるジャーナリストが書く、衝撃の潜入労働ルポ!」とある。著者は元物流の業界紙記者。2005年、アマゾンの物流センターに6カ月間も潜入、「アマゾン・ドット・コムの光と影」という本を書いて話題になった。本書も同じ手法で、宅配の裏側を暴いていく。

 ノンフィクションにはさまざまな取材スタイルがある。なぜ、潜入にこだわるのか?
「この本を書くために佐川急便のドライバー助手もやりましたし、ヤマト運輸の物流の玄関拠点、羽田のクロノゲートでも働きました。実は当初、取材は難航を極めたんです。ヤマト運輸が全然、取材を受けてくれない。クール宅急便の不祥事があるので1年くらいは無理だとか言われて。しかし、その間にも日経新聞の取材などは受けているんですね。僕の取材は受けたくないんだなとわかった。途方に暮れていたときにヤマトは羽田に拠点があり、大勢の人が働いていることを知った。これは潜入できるんじゃないか、と思ったんです」

 潜入取材等を通して、日本の宅配ビジネスがいかに過酷なコストカット競争にさらされているか、そのしわ寄せが労働者を痛めつけているかを淡々と浮き彫りにしていく。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末