「スキン・コレクター」ジェフリー・ディーヴァー著、池田真紀子訳

公開日: 更新日:

 首から下がマヒという障害を抱えながらも天才的な頭脳で難事件を次々に解決していく「リンカーン・ライム」シリーズの最新刊、第11作。

 ニューヨークのブティックの地下室で若い女性の遺体が発見された。その腹部には、インクの代わりに毒物を使ったタトゥーの文字が施されていた。何かのメッセージと思われるその文字は連続殺人を予感させるものだった。しかも、遺体の傍らには十数年前にライムたちが解決した〈ボーン・コレクター〉事件に関連する遺留物が見つかる。案の定、すぐに同様の手口による殺人が発生し、やはりメッセージを彫られたタトゥーが刻まれていた。犯人はライムたちの捜査方法を熟知しているようで、手がかりをほとんど残さない。それでもライムは微細な証拠からこの狡猾な犯人を追い詰めていく――。

 ディーヴァーお得意の何重にもわたるドンデン返しが、今回も最後に待ち受けている。また先行の「ボーン・コレクター」「ウォッチメイカー」とも巧みに共鳴させる物語展開など、サービス精神たっぷり。(文藝春秋 2350円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  2. 2

    清原果耶ついにスランプ脱出なるか? 坂口健太郎と“TBS火10”で再タッグ、「おかえりモネ」以来の共演に期待

  3. 3

    だから桑田真澄さんは伝説的な存在だった。PL学園の野球部員は授業中に寝るはずなのに…

  4. 4

    PL学園で僕が直面した壮絶すぎる「鉄の掟」…部屋では常に正座で笑顔も禁止、身も心も休まらず

  5. 5

    「ニュース7」畠山衣美アナに既婚者"略奪不倫"報道…NHKはなぜ不倫スキャンダルが多いのか

  1. 6

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 7

    フジ火9「人事の人見」は大ブーメラン?地上波単独初主演Travis Japan松田元太の“黒歴史”になる恐れ

  3. 8

    ドジャース大谷 今季中の投手復帰は「幻」の気配…ブルペン調整が遅々として進まない本当の理由

  4. 9

    打撃絶不調・坂本勇人を「魚雷バット」が救う? 恩師の巨人元打撃コーチが重症度、治療法を指摘

  5. 10

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した