白人ではなく中国人が見る日本が重要

公開日: 更新日:

 だからこそ、本書の基本的なメッセージとしては、かの国を過度に恐れる必要もないし、日本には誇るべきものもあるし、彼らだって不安な気持ちを抱いている、というところにある。

 そして、中国人全員が反日思想を持っているわけでもないといったところも同時に理解できる。“中国人旅行者が感激した「日本人のここが凄い!」ベスト8”という原稿(中島恵氏)では、「電車の中で話す人があまりいない」「子供が荷物を持って歩いている」など中国人観光客が驚いた点について言及している。

 こうした企画をやる場合、テレビであれば「明らかに外国人である」という見栄えを考慮し、とかく白人が登場して「外国人はカプセルホテルが好き」「外国人は渋谷のセンター街が好き」といった展開になる。

 だが、日本にもっとも多く来ている外国人は中国人である。白人のバックパッカーの楽しみ方を知るのも重要ではあり、「クールな日本」としての自尊心は満たされるかもしれないが、経済的なことを考えたら、中国人こそ理解する必要があるのではないか。本書はそのための示唆を与えてくれる。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  2. 2

    清原果耶ついにスランプ脱出なるか? 坂口健太郎と“TBS火10”で再タッグ、「おかえりモネ」以来の共演に期待

  3. 3

    だから桑田真澄さんは伝説的な存在だった。PL学園の野球部員は授業中に寝るはずなのに…

  4. 4

    PL学園で僕が直面した壮絶すぎる「鉄の掟」…部屋では常に正座で笑顔も禁止、身も心も休まらず

  5. 5

    「ニュース7」畠山衣美アナに既婚者"略奪不倫"報道…NHKはなぜ不倫スキャンダルが多いのか

  1. 6

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 7

    フジ火9「人事の人見」は大ブーメラン?地上波単独初主演Travis Japan松田元太の“黒歴史”になる恐れ

  3. 8

    ドジャース大谷 今季中の投手復帰は「幻」の気配…ブルペン調整が遅々として進まない本当の理由

  4. 9

    打撃絶不調・坂本勇人を「魚雷バット」が救う? 恩師の巨人元打撃コーチが重症度、治療法を指摘

  5. 10

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した