いま国民は核心を突く人を欲していないのか
ところが、最近、著者のメディアへの登場が減っている。権力者たちが著者の登場を妨害しているのかもしれないが、一番大きな理由は、「もの言う人」へのニーズが減っていることだと思う。
メディアも商売だから、部数が伸びたり、視聴率が取れれば、重用する。しかし、いま多くの国民が、著者のような問題の核心を突く発言をする人を欲していないのだ。
その理由は、国民が御用メディアに飼いならされ、危機感を失ってしまったからだろう。しかし、それでは、権力者の思うつぼだ。知る権利を失ったら、民主主義はおしまいだ。その危機感を国民が共有するために、本書はとても重要なのだ。★★★(選者・森永卓郎)