「新築マンションは9割が欠陥」船津欣弘氏
欠陥住宅がなくならない理由はさまざまだ。
下請けの多重構造、デザインだけ、構造だけしか知らない建築士の存在、品質管理を怠る大手ディベロッパーなど、著者の“暴露”は多岐にわたる。
「残念なことに、私が本書で指摘していることは建設業界では常識。それでも、なかなか改善されないのが現状です。例えば、05年に発覚した姉歯1級建築士(当時)の耐震偽装問題。あの事件を受けて国交省は多少、建築基準法に手を入れましたが、現場では機能していません。あれだけ大きな問題になったにもかかわらず、です」
ゼネコンによっては第三者の検査を入れるなど、欠陥をゼロに近づけようとしている企業もある。しかし、その割合は多いとは言えない。
「すでに新築マンションは資産ではありません。ローンを支払い終えるまでは負債だし、売却しても買値以上の値がつくかどうか。そもそも欠陥が発覚すれば売れません。それでもマンションを買いたいなら、せめて社内に品質管理部門があるディベロッパーや、問題が発覚した直後から施工を開始する物件を選ぶといいでしょう。欠陥マンションを建てたのに? と思うかもしれませんが、名誉を挽回するために一気に品質重視にシフトする可能性があるからです」