「殉教者」加賀乙彦著

公開日: 更新日:

 1615年、長崎・野母の港から夜闇にまぎれて、キリシタン指導者の息子、ペトロ岐部カスイはイスパニア人修道士とともに外国帆船に乗り込んだ。キリシタン弾圧がひどくなった日本を脱出し、マカオ、ゴアを経由して隊商に潜りこみ、砂漠を旅して徒歩でエルサレムにたどり着く。イエスの墓に祈りを捧げたペトロは、まるで十字架にかかったように両手と両足と脇腹に激痛を感じた。ローマでイエズス会の司祭になったペトロは、宣教のため危険を顧みず商人として日本に潜入する。

 5万3000キロの旅の末に、日本人として初めてエルサレムを訪れた巡礼者の、信仰に導かれた生涯を描く長編。(講談社 1850円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    都知事選2位の石丸伸二氏に熱狂する若者たちの姿。学ばないなあ、我々は…

  2. 2

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    竹内涼真“完全復活”の裏に元カノ吉谷彩子の幸せな新婚生活…「ブラックペアン2」でも存在感

  5. 5

    竹内涼真の“元カノ”が本格復帰 2人をつなぐ大物Pの存在が

  1. 6

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  2. 7

    二宮和也&山田涼介「身長活かした演技」大好評…その一方で木村拓哉“サバ読み疑惑”再燃

  3. 8

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 9

    小池都知事が3選早々まさかの「失職」危機…元側近・若狭勝弁護士が指摘する“刑事責任”とは

  5. 10

    岩永洋昭の「純烈」脱退は苛烈スケジュールにあり “不仲”ではないと言い切れる