「蓬莱」今野敏著
夜、バーで酒を飲んでいた渡瀬は、現れたヤクザ風の2人組に連れ出される。駐車場で暴行された渡瀬は、車の中に待機していた男から、渡瀬が経営するゲームソフト会社の新作ゲーム「蓬莱」の発売を中止するよう脅される。蓬莱は、社員の大木が企画した日本の先史時代を舞台にした国づくりゲームだった。
翌朝、出社した渡瀬は訪ねてきた神南署の刑事・安積から、大木が電車にひかれて死んだと教えられる。事故か自殺かは分からないという。さらに、蓬莱を生産中の工場でトラブルも発生。薄気味の悪さを感じる渡瀬は、昨夜のことを思い出し、なぜ蓬莱が世に出回ることを彼らが阻止しようとしているのか、理由を考える。
警察小説第一人者の記念碑的作品の新装版。(講談社 770円+税)