「参勤交代の真相」安藤優一郎著
参勤交代をテーマにした歴史読み物テキスト。
参勤交代は、江戸幕府の誕生とともに始まり、3代将軍家光の代に制度として確立した。将軍が家臣たちをお膝元に強制的に住まわせることは、古来見られたが、江戸幕府はそれを義務化。元和8(1622)年には江戸参勤に加え諸大名の妻子を人質として江戸屋敷に置く流れがつくられていく。加賀百万石の前田家は4000人に及んだという大名行列の人数のマジックやその陣容の内訳、持ち物、1日平均30キロ以上歩いたという移動距離、天災や宿泊場所での支払いなどのさまざまなトラブル、そしてペリー来航を機に協議された制度の改定とその後の消滅まで。江戸幕府存続の根幹をなした江戸参勤制度のすべてを解説する。(徳間書店 830円+税)