「『ル・モンド』から世界を読む」 加藤晴久著
敗戦60周年の夏、フランスのテレビが、サイパン島陥落の際、米軍が説得工作で多くの日本人を救ったことを紹介した。「ル・モンド」では仏独共同経営のチャンネルが放送したドキュメンタリーを推奨している。
第1部では、マッカーサーの前で、重光外相と南京大虐殺の責任を問われた梅津参謀総長が降伏文書に調印している。第2部では「戦時の歳月を沈黙の地中に埋めて再建に邁進する日本」を描く。日本人の忘れてはならない歴史を描いたドキュメンタリーをフランス人が見ている。日本のメディアも私たちを啓蒙する責任を果たしてほしいと著者は言う。
日本ではほとんど報道されない「ル・モンド」の記事を紹介。(藤原書店 3200円+税)