ISを生む社会的背景は日本も例外ではない
「イスラム国『世界同時テロ』」黒井文太郎著
テロリズムは感染症に似ている、というのは長年、軍事畑で世界を取材してきた軍事ジャーナリストの著者。イスラムテロ研究は20年におよぶという。既に欧州では伝染病の爆発的流行(パンデミック)に近い状況が生まれており、いずれは日本も例外ではなくなる。
イスラム系の移民コミュニティーが多くない日本国内では、すぐにテロが続発する懸念は少ない。しかし海外でテロに遭遇する日本人は確実に増える。特に人質はイスラム教徒と異教徒に選別されるが、一見して異教徒とわかる日本人は殺されやすいのだ。具体例豊富なテロリポートだ。(KKベストセラーズ 830円+税)