「医者の9割はうつを治せない」千村晃氏

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「うつは解明し切れていないので、医者も患者も誤解している面は多いと感じます。『楽しんで仕事をしている人はうつにならない』『休職中は規則正しい生活を』などは“うつの常識”とされていますが、勘違い。うつの原因は人それぞれですから、他人のケースに当てはめて考えること自体ナンセンスです。体験記など参考にしたくなるでしょうが、あまり役に立たないことを患者自身も知ってほしいですね」

 近頃では、心療内科とは無関係な皮膚科医や透析医がメンタルクリニックを開業するケースも増えている。無駄な時間を費やさないためにも、受診の際は医師の経歴もチェックしたほうがよさそうだ。

「うつになると本人はもちろん、家族も心配になりますが、治療を通して根っこに気づけば、いろいろなことが転換するチャンスでもあります。うつ患者にとって大切なのは、問題に向き合う勇気。きっと良くなるので希望を持ってほしいですね」(祥伝社 1300円+税)

▽ちむら・あきら 1952年、東京生まれ。精神科医。千村クリニック院長。千葉大学医学部卒業後、東京厚生年金病院ICU麻酔科などでER救急・脳外科での診療を経て2004年に開業し、薬に頼らない自然な治療を実践。著書に「これからはメンタル美人」「薬に頼らない個々に合ったうつ病治療」など。

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