「百歳人生を生きるヒント」五木寛之著
人類が体験したことがない百歳人生をどのように生きていけばいいのかを考えるエッセー。
60代や70代の人の多くが、百歳人生を喜ぶのではなく、戸惑いを覚えるのはなぜか。それはおそらくこれからの人生が、確実に下り坂、下山の道のりになっていることを認めたくないからではないかと指摘。それは、寿命は延びても、人生の生き方や死生観が「人生五十年」といわれていた時代のモノサシのままだからだ。
心身ともに元気な50代から後半の下山の人生を生き抜く覚悟を考え始め、60代で生活をリセット(再起動)、70代では下山の途中に現れる平坦な丘のような場所を十分に楽しみ活力を補充する……などと10年ごとに区切り、それぞれの下山の心構えを説く。(日本経済新聞出版社 780円+税)