「人と会う力」岡崎武志著

公開日: 更新日:

 2017年、座間で、SNSのやりとりだけで容疑者と知り合った男女9人が殺された事件に「旧人類」の著者は「恐怖」を覚えた。実際に生身の人間と「会う」ことからいろいろなことが始まるのだ。気が弱くて地味な少年だった著者は何回か転校したが、転校は「新しい自分」になれるチャンスなのだ。「いじめ」や「大きな失敗」も転校で帳消しにできる。また、「気が弱い」という負性を捨ててはいけない。大橋巨泉のように自説を曲げない人ばかりでは会話は成り立たない。人の意見に反対しないし、人の話を遮らない気の弱い人の存在が社会を生きやすくするのだ。

 生身の人間と出会うことの大切さを考えるエッセー。

 (新講社 1600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    僕の理想の指導者は岡田彰布さん…「野村監督になんと言われようと絶対に一軍に上げたる!」

  4. 4

    永野芽郁は大河とラジオは先手を打つように辞退したが…今のところ「謹慎」の発表がない理由

  5. 5

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  1. 6

    大阪万博「午後11時閉場」検討のトンデモ策に現場職員から悲鳴…終電なくなり長時間労働の恐れも

  2. 7

    威圧的指導に選手反発、脱走者まで…新体操強化本部長パワハラ指導の根源はロシア依存

  3. 8

    ガーシー氏“暴露”…元アイドルらが王族らに買われる闇オーディション「サウジ案件」を業界人語る

  4. 9

    綱とり大の里の変貌ぶりに周囲もビックリ!歴代最速、所要13場所での横綱昇進が見えてきた

  5. 10

    内野聖陽が見せる父親の背中…15年ぶり主演ドラマ「PJ」は《パワハラ》《愛情》《ホームドラマ》の「ちゃんぽん」だ