「霧(ウラル)」桜木紫乃著

公開日: 更新日:

 昭和35年、北海道・根室の芸者・珠生は、常連客の側近・相羽に密かに思いを寄せる。しかし、相羽は社長の身代わりとなって服役してしまう。珠生は、根室に帰ってくるかどうかも分からない相羽を待ち続ける。

 そんなある日、珠生が住み込みで働く料亭に妹の早苗が訪ねてきた。5年ぶりに会った早苗は、姉の智鶴の結婚が決まったと告げる。3人姉妹の父親は、地元経済を牛耳る水産会社の社長で、珠生は両親に反発して家を出て芸者になったのだ。智鶴の婚約者は運送会社の御曹司・大旗で、国政選挙出馬の準備を進めているという。やがて珠生は出所した相羽と暮らしはじめ、早苗は金貸しの次男を婿にして家業を継ぐ。

 国境の町に生きる3姉妹のそれぞれの愛と波乱の人生を描く長編。

(小学館 690円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕の理想の指導者は岡田彰布さん…「野村監督になんと言われようと絶対に一軍に上げたる!」

  2. 2

    小泉進次郎氏「コメ大臣」就任で露呈…妻・滝川クリステルの致命的な“同性ウケ”の悪さ

  3. 3

    綱とり大の里の変貌ぶりに周囲もビックリ!歴代最速、所要13場所での横綱昇進が見えてきた

  4. 4

    永野芽郁は映画「かくかくしかじか」に続きNHK大河「豊臣兄弟!」に強行出演へ

  5. 5

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  1. 6

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  2. 7

    関西の無名大学が快進撃! 10年で「定員390人→1400人超」と規模拡大のワケ

  3. 8

    相撲は横綱だけにあらず…次期大関はアラサー三役陣「霧・栄・若」か、若手有望株「青・桜」か?

  4. 9

    「進次郎構文」コメ担当大臣就任で早くも炸裂…農水省職員「君は改革派? 保守派?」と聞かれ困惑

  5. 10

    “虫の王国”夢洲の生態系を大阪万博が破壊した…蚊に似たユスリカ大量発生の理由