「無菌室 ふたりぽっち」今田俊著
朝日新聞で経済記者をしていた僕は、2006年の夏、出先で具合が悪くなり妻に迎えにきてもらう。翌日はめまい。念のため会社の診療所で診てもらうと「白血病の疑いがある」と医師に告げられた。
病名は急性骨髄性白血病。骨髄中の芽球、いわゆる白血病細胞が73%で骨髄の大部分ががん細胞に侵されていた。すぐに大学病院の無菌室で抗がん剤治療が始まった。
やがて順調に治療が進み出社した僕は、アエラ編集部のカメラマンのエンドーくんが偶然にも僕と同時期に白血病を発症したことを知る。
エンドーくんとは面識はなかったが、いてもたってもいられずメールを送り、以後、互いを励みに病と闘う。しかし、その4カ月後、エンドーくんは静かに旅立っていった。
1年後、僕は白血病が再発。没交渉だった弟がドナーとなり骨髄移植をする。
2人の治療経過、不安や悔しさなどをつづった闘病記。
(朝日新聞出版 1200円+税)