「おっさんたちの黄昏商店街」池永陽著

公開日: 更新日:

 埼京線沿いの小さな町にある旧鈴蘭中央商店街は、不景気のあおりを受けシャッター街になる寸前。廃れゆく商店街を何とかしようと、喫茶店の主人である洞口修司の声掛けで、学習塾を開いている小堀裕三、区役所を退職して年金生活を謳歌している川辺茂、鍼医の羽生源次の同級生3人、そこへ昭和好きの高校生・翔太が加わり、町おこしに立ち上がった。

 裕三たち推進委員会は、通りに面した開口部を木製にして昭和っぽさをウリにしようと提案するが、豆腐屋の仙市だけは首を縦に振らず、計画が進んでいなかった。

 そんなある日、いつものように裕三ら推進委員が集まって飲んでいると、源次が指ではじいてビールの栓を開けてみせた。驚くみんなに「わし、実は忍者なんだ」と告白する……。

 ワケありの独り身のおっさんたちが、町おこしを通じて絆を深めていく人情連作集。

(潮出版社 1600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    僕の理想の指導者は岡田彰布さん…「野村監督になんと言われようと絶対に一軍に上げたる!」

  4. 4

    永野芽郁は大河とラジオは先手を打つように辞退したが…今のところ「謹慎」の発表がない理由

  5. 5

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  1. 6

    大阪万博「午後11時閉場」検討のトンデモ策に現場職員から悲鳴…終電なくなり長時間労働の恐れも

  2. 7

    威圧的指導に選手反発、脱走者まで…新体操強化本部長パワハラ指導の根源はロシア依存

  3. 8

    ガーシー氏“暴露”…元アイドルらが王族らに買われる闇オーディション「サウジ案件」を業界人語る

  4. 9

    綱とり大の里の変貌ぶりに周囲もビックリ!歴代最速、所要13場所での横綱昇進が見えてきた

  5. 10

    内野聖陽が見せる父親の背中…15年ぶり主演ドラマ「PJ」は《パワハラ》《愛情》《ホームドラマ》の「ちゃんぽん」だ