「小松とうさちゃん」絲山秋子著

公開日: 更新日:

 蓄電会社に勤務する宇佐美は、出張中もネットゲームのことが頭を離れない。40歳を過ぎて、まさかゲームにハマるとは思ってもみなかった。チームの「盟主」を務める宇佐美は、会議の合間にもログインして、仲間に指示を飛ばす。

 一方、大学の非常勤講師の小松は新潟に向かう新幹線でみどりという女性と知り合う。2人とも同じ52歳で話が合い、これまで独身だった小松は、彼女への思いを募らせていく。小松の思いに気付いた飲み仲間の宇佐美は、奥手の小松を放っておけず、あれこれとアドバイスする。バツイチのみどりも小松に好意を抱いていたが、彼女には小松に打ち明けていない秘密があった。(表題作)

 中年男性2人を主人公にしたこの表題作の他、2編を収録した作品集。

(河出書房新社 720円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    メッキ剥がれた石丸旋風…「女こども」発言に批判殺到!選挙中に実像を封印した大手メディアの罪

  2. 2

    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

  3. 3

    都知事選敗北の蓮舫氏が苦しい胸中を吐露 「水に落ちた犬は打て」とばかり叩くテレビ報道の醜悪

  4. 4

    東国原英夫氏は大絶賛から手のひら返し…石丸伸二氏"バッシング"を安芸高田市長時代からの支持者はどう見る?

  5. 5

    都知事選落選の蓮舫氏を「集団いじめ」…TVメディアの執拗なバッシングはいつまで続く

  1. 6

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 7

    都知事選2位の石丸伸二氏に熱狂する若者たちの姿。学ばないなあ、我々は…

  3. 8

    ソフトバンク「格差トレード」断行の真意 高卒ドラ3を放出、29歳育成選手を獲ったワケ

  4. 9

    “卓球の女王”石川佳純をどう育てたのか…父親の公久さん「怒ったことは一度もありません」

  5. 10

    松本若菜「西園寺さん」既視感満載でも好評なワケ “フジ月9”目黒蓮と松村北斗《旧ジャニがパパ役》対決の行方