「天を灼(や)く」あさのあつこ著

公開日: 更新日:

 夜、伊吹藤士郎は雨でぬかるんだ山道を急ぐ。伊吹家は代々、天羽藩の大組組頭を務めてきた家柄で、父の斗十郎は執政入りも確実視されていたが、20日前に大目付の配下に捕らえられてしまった。不安な日々を過ごしていた伊吹家に、その日、城からの使者が来て、斗十郎は市中一の豪商と結託して私腹を肥やし、藩の財政を損耗させた罪で切腹、伊吹家は屋敷を没収、家人は領内所払いを命じられたのだ。

 父の潔白を信じ、煩悶する藤士郎の前に斗十郎の言付けを持ってきたという若者・柘植が現れる。斗十郎の愛用する佩刀(はいとう)を持参して、明朝までに「能戸の沢」と呼ばれる山の牢屋敷に会いに来てほしいというのだ。

 元服を目前に控えた藤士郎を主人公にした青春時代小説3部作の第1弾。

(祥伝社 750円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末