「わんダフル・デイズ」横関大著
岸本歩美は西多摩市にある盲導犬訓練施設「ハーネス多摩」の研修生だ。ある日、視覚障害者の兼松という人物から先輩の訓練士、阿久津に電話があった。阿久津が担当した盲導犬ジャックの調子が悪く、自宅に帰るとぐったりして、餌も半分くらいしか食べないという。
阿久津がジャックを訓練所に連れて帰ると、ジャックは楽しそうに阿久津と戯れている。ところが、兼松家に戻ろうとすると、ジャックは怯えたように体を丸めた。阿久津が玄関先で何かを拾った。小さなキャラメルだった。阿久津は、もう一軒行きたいところがあると言って、木島家に向かう。(「パピーウォーカー」)
盲導犬と訓練士が主役の心温まる物語6編。
(幻冬舎 1500円+税)