「作家の手料理」野村麻里編

公開日: 更新日:

 映画監督の小津安二郎は毎日の食事を丹念に日記に記している。鮭の酒粕汁が大好物で、昭和30年1月17日は「夜、鮭粕汁をつくる。美味。」とあり、1月22日は「朝、鮭粕汁を拵える。美味。」、2月1日は「鮭粕汁にて夕めし。」とあるから、かなりの頻度である。

 この頃は、名作「東京物語」を送り出した2年後で、脂の乗りきった頃だが、独身の小津は自分で鮭の粕汁を作ったのだろうか。〈「B級グルメ考」山田風太郎〉

 ほかに、小学校3年のとき、ロシア人の友達にもらった飴「ハルヴァ」の味が忘れられず探し続けた、米原万里の「トルコ蜜飴の版図」など、30人の作家が出合ったおいしいもののレシピつきエッセー集。

(平凡社 1980円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    悠仁さま「進学に向けた勉学の大切な時期」でも続く秋篠宮家と宮内庁の軋轢

  2. 2

    初V京都国際の《正体》と《左腕王国の秘密》…野球部“以外”の男子生徒わずか12人

  3. 3

    山陰まで及ぶ大阪桐蔭・西谷監督のスカウト活動範囲…《最新車で乗り付けてきた》の声も

  4. 4

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  5. 5

    目黒蓮をCMに再起用したコーセーにSnow Manファン大暴走 佐久間大介も別問題でファンに苦言

  1. 6

    「Snow Man=めめ以外は演技下手」定着のリスク…旧ジャニのマルチ売りに見えてきた限界

  2. 7

    もはや任意じゃなくて強制…12月2日のマイナ保険証一本化に向けて強まる国民への包囲網

  3. 8

    離職後、定年後は何をしたい? 第2位「まだ考えていない」…では第1位は?

  4. 9

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  5. 10

    "キムタク神話崩壊"へ秒読み…通算3作目ソロアルバムが1stから56%ダウンの惨憺