がん放射線治療ウソ・ホント(1)ネット情報は玉石混交…自分ががん患者になって痛感した
私は昨年12月に乳がん告知を受け、今年2月に手術、4月末からは放射線治療がスタートした。
放射線治療を受けるにあたって主にインターネットでさまざまな情報を集めたのだが、今思うのは、その内容は玉石混交だった。何が正しく、何が間違っていたのか、6月に治療を終えたばかりの私ならではの目線で書いてみたい。
話を伺ったのは、東京・世田谷区にある国立成育医療研究センター放射線治療科の藤浩医師(放射線治療専門医)。
そもそも放射線治療は何のために受ける治療なのか?
「わかりやすくいうと、『がんを小さくする』『がんの症状を減らす』。これらによってがんを根絶やしにすることが目指せ、また緩和的治療としても役立ちます。さらに、『再発を防ぐ』という目的もあります」(藤医師=以下同)
がんに罹患した患者のすべてが放射線治療を受けるわけではない。
「がん患者の中で放射線治療を受けた人は全体の3割程度というデータがある。放射線が適応ではないがんの種類や症状もありますが、適応であるにもかかわらず医師が的確な判断をせず、放射線につながないことがあるのです。今現在のような放射線治療装置が、日本に導入されたのは1960年代ですが、欧米に比べるとまだ普及が遅れているのが現状です」