「本当は怖い 京ことば」大淵幸治著

公開日: 更新日:

 著者は祇園祭の宵山で知り合いの京都ジンに出会った。彼は祭りの鉾(ほこ)や山の写真を撮るのが仕事だ。祭りのときに行われる町内の仕事については知らなかったので聞いてみると「わたしはてったわして(手伝わせて)もろてるだけで、詳しいことは知りまへんにゃ」と答える。それは、忙しいときにしょうもないことを聞いてくれるな、ということなのだ。使い走りでただ働かされているだけ、という自己卑下的なニュアンスに聞こえるがそうではない。栄誉ある町内行事の式次第は、一介の友人風情に伝授するものではないのだ。京都ジンの「長生きしはるわ」も「バカは死ななきゃ治らない」の意。

 はんなりした京ことばの真意を紹介する。

(リベラル社 1430円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  2. 2

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 3

    「終わらない兵庫県知事選」の行方…新たな公選法違反疑惑浮上で捜査機関が動く“Xデー”は

  4. 4

    楽天・田中将大は今や球団の「厄介者」…大幅負け越し&パワハラ関与疑惑に年俸2億円超ダウン

  5. 5

    斎藤元彦知事ヤバい体質また露呈! SNS戦略めぐる公選法違反「釈明の墓穴」…PR会社タダ働きでも消えない買収疑惑

  1. 6

    斎藤元彦知事が百条委トンズラで大誤算!公選法違反疑惑に“逃げの答弁”連発も「事前収賄罪」の可能性

  2. 7

    楽天・田中将大に囁かれていた「移籍説」…実力も素行も問題視されるレジェンドの哀れ

  3. 8

    《小久保、阿部は納得できるのか》DeNA三浦監督の初受賞で球界最高栄誉「正力賞」に疑問噴出

  4. 9

    エースの留年が影響か?昨夏王者・慶応まさかの県大会16強敗退…文武両道に特別扱い一切なし

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇