「忍びの者 その正体」筒井功著

公開日: 更新日:

 元来は伊賀や甲賀出身の者を指した伊賀者、甲賀者という言葉はかなり早くから「忍び」を意味するようになった。

 甲賀の竹中城は一辺50メートルの土塁に囲まれた正方形の城郭である。元来は耕作地をもつ地侍の居住地だった武装屋敷のようになっている。伊賀や甲賀には有力な武家大名がいなかったため、土豪や地侍、百姓らが惣(同盟)を結び、外敵に対応してきた。危急存亡の折には国境を越えて他国の城取りに行っていた。伊賀の足軽は傭兵のような形で主従関係のない武将のために働くことが多かった。多くの中世城郭を築いた伊賀者や甲賀者は、容易に城に侵入できたため城取りが得意だったのである。文献や言い伝えを基に、虚像ではない「忍び」の実態を紹介する。

(河出書房新社 2112円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  2. 2

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 3

    「終わらない兵庫県知事選」の行方…新たな公選法違反疑惑浮上で捜査機関が動く“Xデー”は

  4. 4

    楽天・田中将大は今や球団の「厄介者」…大幅負け越し&パワハラ関与疑惑に年俸2億円超ダウン

  5. 5

    斎藤元彦知事ヤバい体質また露呈! SNS戦略めぐる公選法違反「釈明の墓穴」…PR会社タダ働きでも消えない買収疑惑

  1. 6

    斎藤元彦知事が百条委トンズラで大誤算!公選法違反疑惑に“逃げの答弁”連発も「事前収賄罪」の可能性

  2. 7

    楽天・田中将大に囁かれていた「移籍説」…実力も素行も問題視されるレジェンドの哀れ

  3. 8

    《小久保、阿部は納得できるのか》DeNA三浦監督の初受賞で球界最高栄誉「正力賞」に疑問噴出

  4. 9

    エースの留年が影響か?昨夏王者・慶応まさかの県大会16強敗退…文武両道に特別扱い一切なし

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇