大人の脳トレ本特集

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「脳活! まいにち俳句パズル春夏編」髙柳克弘著 ニコリ パズル制作

 GWごろに注意が必要といわれる「五月病」。環境の変化などで体調不良になる人が多いという。そこで今回は、そんな五月病予防にも役にたちそうな脳トレ本をご紹介。さまざまなトレーニングは、物忘れ防止だけでなく、リラックス効果や意欲アップにもつながるという。やってみよう。



 俳句の季語をモチーフにしたパズル本。4種のパズルと季語解説、覚えておきたい名句を書き込む構成で50問を収録している。

 リストの季語を盤面から探して解き、残った文字を読んでいく。たとえば30問目の答えは、夏の季語「若葉」だ。そして「若葉」を取り入れた句といえば蕪村の「不二ひとつ うづみ残して わかばかな」。麓に広がる一面の青葉から突き抜けるようにしてそびえる富士の偉容を称えた句だ。生命力にあふれた「若葉」が、この句では脇役というのが面白い、と解説する。

 また「夏場所」という言葉からは初夏らしいすがすがしさが感じられるが、「相撲」そのものは秋の神事だったことから、秋の季語。一方、「麦の秋」には秋という言葉が入っているが、夏の季語。麦は夏こそが実りの時期であることが理由だそうだ。

 高浜虚子の俳句パズルも収録。パズルと俳句が楽しめる一挙両得本。

(NHK出版 880円)

「東大式脳力トレーニング」千葉久義監修

 認知症やボケ現象を予防する効果的な方法は、何と言っても「アタマを使うこと」である。とはいえ、アタマにはさまざまな部位があり、その働きは異なる。たとえば「思考と感情」は前頭葉、「認識と情報処理」は頭頂葉、「記憶と言語」は側頭葉、「視覚」は後頭葉といった具合だ。本書は、こうしたそれぞれの働きをつかさどる部位ごとに鍛える脳トレ本。90日間かけアタマの隅々まで満遍なくトレーニングしていく。視覚をつかさどる後頭葉のトレーニングではイラストのまちがいさがしやマッチ棒パズルなど、頭頂葉トレーニングには100マス計算など、バラエティーに富んだ問題が収録されている。

 そんな中でも漢字に関する問題が多めなのが特徴。人がものを考えるときに手段とするのは「ことば」であり、脳を使うことは、ことばを意識して用いることに他ならない。そのため日本人にとって重要な漢字に焦点をあて多く収録してあるのだ。「認知症になりやすい食べ物」などコラムもためになる。

(メディアソフト 916円)

「地理クイズ大全地理トレ」原光一、地理トレ編集部編

 地理といえば覚えるものというイメージが強いが、「地理とは対象を広く見渡し、地の理に思いを馳せること」と著者は言う。舞台のない歴史上の出来事はなく、言ってみれば百人一首から文学作品まで、すべてが地理の対象となるのだ。

 たとえば、「世界の大都市」をテーマにした問題は、東京、デリー、シンガポール、シドニー、モスクワ、ニューヨーク、カイロ、リオデジャネイロを、緯度の高い順、経度の広い順に並べよ、というもの。緯度は何となく想像がつくが、経度となると悩むものだ。ちなみに東京は緯度では3番目、経度では2番目だ。

 ほかにも市章、都道府県の花、山の地形図から選ぶ山名、歌や文学に出てくる地名、インターネットの国別ドメイン、オリンピックの開催都市など、イラストや写真とともに全122問を掲載。また冒頭には地理好きで知られる、やくみつる氏書き下ろしクイズ7問も収録している。問題を通して地理と地図の面白さ、奥深さが伝わってくる。

(帝国書院 1320円)

「川島隆太教授の脳力を鍛えるまちがいさがしDX」川島隆太監修

 脳トレというと、漢字の読み書きや簡単な計算ドリルがお馴染みだが、2枚の絵を見比べて違った部分を探す作業は、脳でもっとも重要な働きをする「前頭前野」の活性化に有効だという。前頭前野は記憶や感情をコントロールする部位で、「脳の中の脳」。この前頭前野の働きが加齢とともに衰えると、考える力が弱まったり、人との関わりが面倒になってしまうので注意が必要だ。

 本書は、その前頭前野を鍛える「まちがいさがし」本。1日1ページずつ、歴史、絵画、ニュースなどさまざまなテーマの問題が掲載されている。

 ポイントは毎日続けることと、朝ごはんの後、午前中に取り組むこと。午前中は一日のうちでもっとも脳が働く時間だからだ。

 絵を眺めることで脳トレと同時にリラックス効果も得られるという。チャレンジしよう。

(宝島社 820円)

「1日1問解くだけで脳がぐんぐん冴えてくるドクターズドリル」 石川久著

 1万人の脳を診た“脳の名医”が考案したドリル。脳の働きを決める5つの脳力である「短期記憶」「集中力」「注意力」「基礎思考力」「意欲」に関わる脳の部位を集中的に刺激していく。たとえば短期記憶力とは、目や耳で得た情報を瞬時に脳に刻み込む力だが、これが低下すると物忘れや記憶力の低下を招く。ここを鍛えるには海馬を活性化することが大事で、見たまま覚えることが海馬を目覚めさせるという。本書ではイラストを20秒見て覚え、質問に答える問題を70問収録。毎日挑戦していくと覚えが早くなり、鍛えられた実感が持てるのがうれしい。

 ほかにも「集中力」の刺激には、計算ぬり絵や漢字パズル、「注意力」にはまちがいさがしと図形パズル、「意欲アップ」には足し算ペアパズルや4つの数字パズルが用意されている。車の運転前に解けば集中力が、気持ちが沈んでいるときに解けば達成感で前向きな感情も手に入れられる。

(アスコム 1540円)

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