「『推し』の科学」久保(川合)南海子著

公開日: 更新日:

 現代人がハマる「推し」という行動を認知科学の知見から分析するサイエンステキスト。

 ファンと推しとは何が違うのか。好きの程度が異なるのはもちろん、ファンである自分が好きな対象をただ受け身的に愛好するだけでは飽き足らず、能動的に何かを行動してしまう対象が「推し」なのだという。

 認知科学や心理学における身体的認知という考え方からその行為を分析すると、自分から対象に働きかけることによって生まれた行為は、心に影響を及ぼし、また新たな行為を起こすというエンドレスの循環が発生。これがいわゆる「沼」と表現されるものだ。推しを推すということは、自分の心や行動が変わることなのだ。

 こうした推す人の心と行動の関係を認知科学における「プロジェクション」という概念から解き明かす。

(集英社 946円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊川怜の元夫は会社が業績悪化、株価低迷で離婚とダブルで手痛い状況に…資産は400億円もない?

  2. 2

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  3. 3

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  4. 4

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  5. 5

    斎藤元彦知事ヤバい体質また露呈! SNS戦略めぐる公選法違反「釈明の墓穴」…PR会社タダ働きでも消えない買収疑惑

  1. 6

    渡辺裕之さんにふりかかった「老年性うつ」の正体…死因への影響が報じられる

  2. 7

    水卜ちゃんも神田愛花も、小室瑛莉子も…情報番組MC女子アナ次々ダウンの複雑事情

  3. 8

    《小久保、阿部は納得できるのか》DeNA三浦監督の初受賞で球界最高栄誉「正力賞」に疑問噴出

  4. 9

    菊川怜は資産400億円経営者と7年で離婚…女優が成功者の「トロフィーワイフ」を演じきれない理由 夫婦問題評論家が解説

  5. 10

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”