「『推し』の科学」久保(川合)南海子著

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 現代人がハマる「推し」という行動を認知科学の知見から分析するサイエンステキスト。

 ファンと推しとは何が違うのか。好きの程度が異なるのはもちろん、ファンである自分が好きな対象をただ受け身的に愛好するだけでは飽き足らず、能動的に何かを行動してしまう対象が「推し」なのだという。

 認知科学や心理学における身体的認知という考え方からその行為を分析すると、自分から対象に働きかけることによって生まれた行為は、心に影響を及ぼし、また新たな行為を起こすというエンドレスの循環が発生。これがいわゆる「沼」と表現されるものだ。推しを推すということは、自分の心や行動が変わることなのだ。

 こうした推す人の心と行動の関係を認知科学における「プロジェクション」という概念から解き明かす。

(集英社 946円)

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