「ルポ 食が壊れる」堤未果著

公開日: 更新日:

 世界で進行しつつある「食のグレートリセット」を取材したリポート。

 食のグレートリセットとは、近い将来の食糧危機に備える新しい仕組みづくり。環境に負荷がかかる畜産や農業を最新テクノロジーによって置き換えようという試みだ。AIが農民に代わってデジタル農業を営み、食肉や乳製品は遺伝子操作とバイオ技術で作りだし、必要な栄養も添加によって補う。そのためのルール変更も始まり、欧州では政府が畜産頭数を制限、家畜の出す温室効果ガスに課税するなどの政策が進められているという。

 こうしたデジタルテクノロジーによる食と農の一元支配の拡大を危惧して警鐘を鳴らす一方で、テクノロジーとは正反対の方向性で、食と農の再生に取り組む日本の人々にもスポットを当てる。

(文藝春秋 990円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    朝ドラ「あんぱん」教官役の瀧内公美には脱ぎまくった過去…今クールドラマ出演者たちのプチ情報

  2. 2

    中井貴一の“困り芸”は匠の技だが…「続・続・最後から二番目の恋」ファンが唱える《微妙な違和感》の正体

  3. 3

    大阪万博会場の孤島「夢洲」で水のトラブル続出の必然…トイレ故障も虫大量発生も原因は同じ

  4. 4

    渋谷区と世田谷区がマイナ保険証と資格確認書の「2枚持ち」認める…自治体の謀反がいよいよ始まった

  5. 5

    Kōki,主演「女神降臨」大爆死で木村拓哉がついに"登場"も リベンジ作品候補は「教場」か「マスカレード」シリーズか

  1. 6

    森友文書の一部欠落で財務省が回答…公表された概要リストに「安倍昭恵」の名前

  2. 7

    巨人阿部監督がオンカジ送検の増田大輝を「禊降格」しないワケ…《中心でなくても、いないと困る選手》

  3. 8

    早実初等部を凌駕する慶応幼稚舎の人脈網…パワーカップルを惹きつけるもう一つの理由

  4. 9

    オンカジ騒動 巨人オコエ瑠偉が「バクダン」投下!《楽天の先輩》実名公表に現実味

  5. 10

    迷走続く「マレリ・ホールディングス」再建…金融界の最大の懸念は日産との共倒れ