「忘らるる物語」高殿円著
「忘らるる物語」高殿円著
今年18歳になる環璃(ワリ)は大国、燦(サン)に隷属する月端に生まれた。13歳のときに迎えた夫との間に息子が生まれたが、突然、人生が暗転する。
燦帝国の次の皇帝を決める占いで、「皇后星」に選ばれたため環璃の一族は皆殺しにされ、息子は人質に取られた。環璃は次の帝候補の4人の藩王との間に子どもをつくるという任務を与えられた。環璃との間に子どもをつくった藩王が次の帝になり、環璃はその皇后となる。真珠の輿に乗せられて連行される途中、山賊に襲われた環璃をチユギという女戦士が救った。チユギは触れた男を塵(ちり)にしてしまう不思議な力をもっていた。
男が女を犯せぬ世界を描くエンターテインメント小説。
(KADOKAWA 2090円)