「シベリア鉄道三度目の正直」中野吉宏著
大学の地理学の授業で「シベリア鉄道」を知った著者は、1982年、大学3年のとき、シベリア鉄道に乗ってノルウェーのペンフレンドに会いに行った。レニングラードで知り合った男が自宅に泊めてくれたのだが、当時は旅行者が個人宅に泊まることは「ご法度」だったのだ。
2018年に3回目の旅に出た。ウランバートルからイルクーツクに行くのに、前回と同じ「263列車」に乗った。モンゴルとの国境のスフバートル駅ではなんと5時間28分も停車する。停車中は車内のトイレは使えないが、駅のトイレは暗くて汚い。ところが、出国審査が始まって車内に缶詰め状態に。車掌に「トイレに行きたい」と言うと、空のペットボトルを持ってきた! シベリア旅行で出会った人々の素顔を描く体験記。
(17出版 2200円)