「SF少女マンガ全史」長山靖生著
「SF少女マンガ全史」長山靖生著
1970年前後から「風の声」「緑の目」などのSFマンガを描いていたのが、少女マンガ家の山田ミネコである。少女マンガでもSF作品は少年マンガ風になる傾向があるが、山田ミネコは独自の作風で作品を描いてきた。
山田ミネコは昭和24(1949)年生まれで、萩尾望都や大島弓子、山岸凉子らとともに「花の24年組」で、1970年代の少女マンガに革新をもたらし、それ以降の世代に大きな影響を与えた。初期の作品「ゲバゲバ44ページ」(ヒロ書房)は光瀬龍「百億の昼と千億の夜」へのオマージュである。
ほかに水野英子や西谷祥子ら、SF少女マンガの黄金期の作品をSF評論家が解説する。
(筑摩書房 2200円)